こんにちは、れんです。
私は過去15年間、肌と恋愛コンプに悩み、約800万円を溶かしてきた人間です。
…クラスカースト最下位だった私が、
とあるきっかけで、恋愛への捉え方が変わり、
2ヶ月間で21回デート
告白前デート3人同時並行
pairs500いいねの美女と交際
これらが実現した、経験をもとに
絶望を希望に変える、ヒントを密かにお届けしています。
同級生のカップルが、目の前で堂々とキスをしている。
そんな場面を、指をくわえて眺めたことはありますか。
私は、あります。
しかも、ほぼ同じ時期に、私は教室の机で、自分の頬から出た膿の後始末に追われていました。
どちらも、同じ高校の、同じ制服を着ていた頃の話です。
これから書くのは、正直に言うと、私のいちばん惨めな記憶です。
でも、あなたを暗い気持ちにさせるために書くわけじゃありません。
読み終えたあと、
「あの頃の黒歴史も、もしかしたら、黒以外の歴史に変えられるかも?」
ほんの少しでもそう思えたら、この話を書いた意味があります。
夕方の車内で、私は思わず、見上げてしまった。

高校2年の、秋。
学校から予備校へ向かう、電車の中でした。
ロングシートの真ん中に腰を落とす。
夕方のオレンジ色の光が、車内を斜めに切っている時間帯。
手には、スマホ版のターゲット1900(有名な英単語帳)。
approve、improve……
頭の中で唱えながら、単語を叩き込んでいました。
ふっと集中が切れて、私はスマホから目を離し、顔を上げた。
ちょうど、電車が次の駅に止まったところ。
ドアが、
プシューーー、
と、昭和みたいな爆音を立てて開いた。
その音が合図みたいに、私の視界に、彼らが飛び込んできたんです。
ホームでキスをする、サッカー部のイケメンと陸上部のマコちゃん
目の前のホームで、
顔見知り程度のサッカー部のモテ男と、
クラスで可愛いと評判だった陸上部のマコちゃんが、
お別れのキスをしていたんです。
「え?」
最初は、自分の目を疑いました。
映画でしか見ないような景色が、私の乗る電車の、ドア一枚挟んだすぐそこにある。
でも、その主人公は、私じゃない。
完全に、別の世界の話でした。
息を飲む、ってまさにこのこと。
お別れのキスだから、当然、見送られたマコちゃんのほうが、
私の乗っている車両に乗り込んでくる。
え、鉢合わせするやん。
私はとっさに、座席の横に立てかけていたoutdoorの緑色のリュックをつかんで、
隣の車両へ逃げました。
「……なんで俺、車両を移動したんだ?」
考えるより先に体が動いていて、自分の行動の意味が、自分でもわからなかった。
今ならわかります。
惨めな思いを、したくなかったんです。
マコちゃんとはクラスメイトだったから、
もし目撃したのがバレたら、少し気まずくなる。
向こうにとっては「恥ずかしいとこ見られたな」くらい。
でも、私にとっては、
屈辱以外の、なにものでもなかった。
逆立ちしてもキスなんてできない高嶺のマコちゃんと、
それをいとも簡単にやってのけるイケメン。
羨ましさと憎さがドロドロに混ざった感情を必死に押し殺したまま、
私は予備校へ向かいました。
場面は変わって、蒸し暑い放課後の教室

こっちは、もしかしたら高校1年の夏だったかもしれない。
正直、記憶がごちゃ混ぜです。
屈辱の日々が続きすぎて、どれがいつの話か、線が引けないんです。
とにかく、夏。
セミが校庭の木から、これでもかと鳴いている放課後。
クーラーの効かない、ムシムシした空き教室。
私は、硬式テニス部の仲間6人くらいと、くだらない話で笑っていました。
今思えば、本当に他愛のない会話です。
普通の人なら、思い出のいちページにもならない一瞬のはず。
でも、私は違う。
その教室の、ある一瞬だけが、いまも焼き付いて離れないんです。
部長は、机に頬をつけて気持ちよさそうに眠っていた

6人のうちの1人が、机にぐったりと右の頬を押し当てて、
気持ちよさそうに目を閉じ、昼寝を始めたんです。
その人は、テニス部の部長で、顔はイケメン。
中肉中背で、さらっとした黒髪。
色白で、キメの細かい、いわゆる「肌で困ったことなさそうな顔」。
当時その部長は、クラスで色っぽいと評判だった、あいちゃんと付き合っていました。
恋愛も、立場も、見た目も、全部持っている。
私は、その部長に、めちゃくちゃ憧れていました。
口には出さないけど、
頬を机につける、ただそれだけの動作にまで、憧れていたんです。
だから、こっそり真似をしました。
自分の席は、窓側のうしろ。
……いや、誰の席かもわからない。もしかしたら、知らない女子の席だったかもしれません。
部長と同じように、右の頬を机に押し当てて、寝ているフリをしてみた。
正直、ああいう場所で寝るのは、けっこう抵抗がある人間です。
衛生面とか、つい考えてしまう。
だから本気で寝るというより、
「寝てる風」の、軽いやつ。
でも、机がひんやりしていて、
蒸し暑い空気の中で、想像以上に気持ちよかった。
1分くらいかな。
枕がわりの体勢に疲れてきて、私は、ふっと顔を上げました。
机に広がっていた、薄黄色のもの

顔を上げた瞬間、目に飛び込んできたのは、
薄黄色の膿と、血が混じった、何かでした。
一瞬で理解しました。
……こういうの、慣れてるんです。
頬にあった2〜3個のニキビが、机に押し付けた拍子に潰れていた。
不幸中の幸いで、テニス部の誰ひとり、私のほうを見ていなかった。
「お前さあ〜」「いやいや」「マジでねえ」
談笑は、まだ続いている。
その声が、別世界の音みたいに聞こえました。
私は、何事もなかったように、
体操服の白Tシャツの腹をめくって、机の膿と血を、ささっと拭き取った。
(机の持ち主の方、あのときは本当にごめんなさい。)
こういう出来事が、山ほどある。
自己肯定感なんて、削れて当たり前だったんです。
同じ高校、同じ制服。なのに、なぜここまで景色が違うのか

ホームで堂々とキスしていた、サッカー部のあいつ。
教室のど真ん中で、なんの躊躇もなく頬を机に預けて眠っていた、部長。
そして、
別の車両に逃げた、私。
知らない誰かの机を、膿で汚した、私。
同じ高校。
同じ制服。
なのに、
生きている世界線が、まるで違っていたんです。
……あなたにも、こういう感覚、ありませんか。
髪のこと。
顔のこと。
身長のこと。
体型のこと。
なにかひとつのコンプレックスのせいで、
自分だけが、みんなから少し置いていかれる感覚。
そして厄介なのは、
その記憶が、大人になった今の自分にも、しれっと効き続けていることです。
私もそうでした。
同窓会の知らせが来るたびに、胃のあたりがざわっとする。
卒業アルバムを、開く気になれない。
(ちなみに私は、成人式にも行かなかった人間です。笑)
抜け出したんじゃない。見え方が、変わっただけ

じゃあ、その私が今どうなったか。
先に、結論から言います。
あの頃の屈辱は、いまも消えていません。
肌は、たくさんのお金と時間をかけて、ある程度マシにはなりました。
でも、削られた心のほうは、治療では戻らなかった。
肌がキレイになっても、
「どうせ、自分なんて」
その声だけは、耳の奥に、こびりついたままでした。
そんな私が、あるとき、とあるきっかけに出会います。
何があったのか、その中身は、ここでは書きません。
ただ、ひとつだけ、確かなことがあります。
その日、胸の奥で、ずっと固まったまま動かなかった何かが、
なんというか、、ぐ、と、鈍い音を立てて、ずれた感覚があったんです。
変わったのは、顔でも、過去でもなく、
その過去に対する、見え方のほうでした。
そこから私は、あれだけ逃げ回っていた恋愛に、こわごわ、足を踏み入れました。
マッチングアプリに、登録してみたんです。
もちろん、いきなり、うまくはいきません。
送ったメッセージが、既読のまま、うんともすんとも返ってこない夜もありました。
それでも、私は、一度だけ、思い切ってみたことがあります。
初対面の女性に、ずっと隠してきた過去を、自分から、ぽろっと差し出してみたんです。
「昔、肌のコンプレックスがひどくて、ずっと塞ぎ込んでた時期があって」
言った瞬間、心臓が、ドッと大きく跳ねました。
指先が、すっと冷たくなる。
ああ、引かれる。そう思って、目を伏せかけた、そのとき。
返ってきたのは、
「わかります、その気持ち」
でした。
その一言で、胸につかえていた重たいものが、すっと軽くなったんです。
消そうと隠してきた過去は、差し出した瞬間に、武器に変わる。
一度それを知ってしまうと、不思議なもので、
二度目、三度目は、少しずつ、怖くなくなっていく。
そうやって、私は、ほんの少しずつ、変わっていきました。
机に頬をつけて眠る部長に、あれだけ憧れていた私が、
いまは、あの膿まみれの記憶さえ、こうして文章にして、あなたに見せている。
むしろ、あの屈辱がなければ、こんな生々しい話は、書けなかった。
私だから、できたわけじゃない

ここは、ちゃんと書かせてください。
「れんさんだから、できたんでしょ」
そう思ってほしくないんです。
母にも言ったことのない話を、します。
私は、誰がどう見ても、遺伝子レベルの劣等生でした。
一重、眼瞼下垂、天然パーマ、ニキビとクレーター。
恋愛経験は、ほぼゼロ。
童貞は、吉原(風俗)で手放した。
男としてのプライドなんて、とっくにズタズタでした。
そんな私にも、見え方は切り替わった。
だからこれは、特別な才能の話じゃないんです。
ただ、ひとつだけ、勘違いしてほしくないことがあります。
これは、悩み続けた時間の長さで、勝手に手に入るものではありません。
私も、肌治療に何百万も溶かして、
肌がマシになったあとも、削られた心を、長いこと引きずりました。
動き出せたのは、
コンプレックスが消えるのを待つのを、やめたときからです。
抱えたまま、こわごわ、一歩だけ前に出てみた。
ただ、それだけでした。
机の下で膿を拭いていた、あの日の私へ

もし、あの蒸し暑い教室に戻れるなら。
机の膿を、体操服の裏でこっそり拭いていた自分に、
ひとつだけ、言えることがあります。
その膿は、拭かなくていい。
いつか、そのまま人に見せる日が、来るから。
……当時の私は、たぶん鼻で笑うでしょうね。
でも、本当にそうなったんです。
隠して、消して、なかったことにしようとしていたもの。
それを自己開示したときに、
選ばれるのを待つ側から、自分で選ぶ側へ。
立ち位置が、静かに変わっていく。
あなたのあの日の記憶は、いま、誰の手に握られていますか。
コンプレックスに、握られたままですか。
それとも、そろそろ、自分の手に、取り戻してみますか。
自分の胸に手を当てて、是非とも考えてみてください。
